- 名言や名シーンを振り返りたい
- 言葉の嘘と本音を見分けたい
- あのセリフの心情を知りたい
- レゼ編の切ない余韻に浸りたい
引用/チェンソーマン 公式サイト/場面カット
『チェンソーマン』の中でも、まるで花火のように儚く、強烈な輝きを放った「レゼ編」。
デンジと過ごした甘酸っぱい青春の時間は、すべて任務のための「嘘」だったのでしょうか?それとも、その中には彼女の「本音」が混じっていたのでしょうか。
「私と逃げない?」という誘いや、イソップ童話「田舎のネズミ」の引用……。
彼女の言葉を一つひとつ紐解いていくと、冷徹なスパイとしての顔の下に隠された、切ない「願い」が見えてきます。
この記事では、レゼが残した名言・名セリフ17選を振り返りながら、彼女がデンジだけに伝えたかった真意と、衝撃的な結末の裏側を徹底考察します。
Ouchi※本記事は『チェンソーマン』レゼ編(コミックス5~6巻)の結末や核心に触れるネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
レゼの名言・名セリフ全集【17選】紹介


引用/チェンソーマン 公式サイト/NEWS
レゼの言葉は、スパイとしての冷徹な「嘘」と、少女としての切ない「本音」の間で激しく揺れ動いています。
本記事では、その心情の変化をわかりやすく4つのフェーズに分類しました。
まずは、レゼ編の物語を辿る全17選のラインナップをご覧ください。
デンジを翻弄する「小悪魔な嘘」任務としてデンジに近づき、理想的なヒロインを演じていた時期のセリフです。嘘だとわかっていても、青春の輝きに満ちています。
- 「デンジ君みたいな面白い人 はじめて」
- 「行っちゃいますか?夜」
- 「少し怖いから手繋いでいい?」
- 「デンジ君もハダカなっちゃお どうせ暗くて見えないよ」
- 「教えてあげる! デンジ君の知らない事 できない事 私が全部教えてあげる」
嘘の中に滲む「切ない矛盾」作戦決行(花火大会)の直前。デンジを確実に仕留めるための罠を張りつつも、自身の「田舎のネズミ」への憧れや迷いが混ざり始めた重要なパートです。
- 「デンジ君はさ 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?」
- 「仕事やめて………私と一緒に逃げない? 私がデンジ君を幸せにしてあげる…」
- 「だって私…デンジ君が好きだから」
- 「デンジ君 私の他に好きな人いるでしょ」
正体を表した「ソ連の戦士」本性を現し、殺戮兵器として暴れまわるパート。甘い雰囲気は消え失せ、プロの殺し屋としての冷徹さと圧倒的な暴力性が言葉に表れています。
- 「デンジ君の心臓貰うね?」
- 「ボンっ」
- 「助けてくださ~い!! 悪魔に襲われてま~す!!」
- 「皆殺しコースかな」
- 「マキマ、、、。 デンジ君、あの魔女に飼われちゃっているのか」
- 「おいでデンジ君 私達の戦い方ってのを教えてあげる」
仮面の下の「ただの少女」戦いに敗れ、デンジの真っ直ぐな想いに触れた後。スパイとしての任務も、兵器としての立場も忘れ、一人の女の子として残した最後の言葉です。
- 「なんで… 初めて出会った時に殺さなかったんだろう」
- 「デンジ君 ホントはね 私も学校いった事なかったの」
1. 「デンジ君みたいな面白い人 はじめて」
| 登場 | 第5巻 第40話「恋・花・チェンソー」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | レゼのバイト先であるカフェ「二道」にて。 お礼として出したコーヒーを飲んだデンジが、「コーヒーってマズくねえか!?ドブ味だよ、ドブ!」とあまりにも正直すぎるリアクションをとります。 その予想外の反応に対して、レゼが爆笑しながら放ったセリフです。 |
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コメント
任務として近づいたはずのレゼが、デンジの「嘘のないリアクション」に心底笑わされてしまったシーンです。
彼女の周りは訓練された兵士やスパイばかりだったはず。
だからこそ、社交辞令ゼロで感情を爆発させるデンジは、彼女にとって未知の生物であり、同時にとても新鮮で魅力的に映ったのでしょう。
「はじめて」という言葉には、演技ではない素直な驚きが含まれていると感じさせます。
2. 「行っちゃいますか?夜」
| 登場 | 第5巻 第41話「嵐の前」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 学校に行かずにデビルハンターとして働くデンジ。 ふと漏らした「レゼとなら学校行きたかったかな、なんか楽しそうだし」という言葉を受け、レゼがいたずらっぽく彼を誘い出すセリフです。 |
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「夜の学校への侵入」という、いかにも青春らしい「悪いこと」を提案することで、デンジとの共犯関係を作ろうとしています。
昼間の健全なデートではなく、あえて人のいない「夜」を選ぶことで、二人だけの秘密の時間を作り出し、デンジのドキドキ感を高める作戦です。
デンジが憧れていた「普通の学生生活」以上の刺激を与える、レゼの小悪魔的な魅力が全開になった瞬間です。
3. 「少し怖いから手繋いでいい?」
| 登場 | 第5巻 第42話「泳ぎ方を教えて」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 薄暗い夜の学校に忍び込んだ二人。静寂の中、レゼが女の子らしいアプローチを仕掛けます。 その可愛さに、デンジは頭の中で「マキマさんか、レゼか」と激しく悩み始めます。 |
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圧倒的な戦闘力を持つレゼが、夜の学校ごときを怖がるはずがありません。
これは完全にデンジの「守ってあげたい男心」をくすぐるための計算された嘘です。 しかし、デンジにとって「手をつなぐ」という行為は特別です。
マキマとは違う、対等で温もりのある距離感を示すことで、デンジの心をマキマの支配から自分の方へ引き寄せようとする、非常に効果的なハニートラップです。
4. 「デンジ君もハダカなっちゃお どうせ暗くて見えないよ」
| 登場 | 第5巻 第42話「泳ぎ方を教えて」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | マキマへの罪悪感などで頭がいっぱいになったデンジに対し、「少し冷やしますか」とレゼがプールへと誘います。 「服を着てると沈む」というもっともらしい理由で彼を脱がせ、気づけばデンジは素っ裸になっていました。 |
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「暗くて見えない」という言葉でデンジの羞恥心を麻痺させ、物理的に無防備(全裸)にさせる大胆な一手です。
服を脱がせることで、デンジの警戒心や「デビルハンターとしての立場」さえも脱ぎ捨てさせ、ただの男と女として向き合わせようとしています。
暗闇を口実に大胆に距離を詰めるレゼの手練手管に、デンジだけでなく読者もドキッとさせられるシーンです。
5. 「教えてあげる! デンジ君の知らない事 できない事 私が全部教えてあげる」
| 登場 | 第5巻 第42話「泳ぎ方を教えて」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 泳げないデンジに対して、泳ぎを教えると提案するシーン。 夜のプールで両手を大きく広げ、まるで全てを受け入れるかのようなポーズで放った、レゼ編を象徴するセリフです。 |
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これまで「命令」されることが多かったデンジに対し、レゼは優しく「教えてあげる」というスタンスを取ります。
この「全部」という言葉には、単なる泳ぎ方だけでなく、学校生活の楽しさ、恋愛、あるいは大人の世界など、デンジが知らないすべての快楽や知識が含まれているような響きがあります。
マキマが「飼い主」なら、レゼは「導くパートナー」としてのアプローチでデンジの心を掴みにいっています。
6. 「デンジ君はさ 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?」
| 登場 | 第5巻 第42話「泳ぎ方を教えて」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 突然の雨でプールタイムは終了。教室に戻り、レゼがイソップ童話を引用して生き方の価値観を問います。 「うまいモン食えるなら死んでもいい」として都会のネズミを選ぶデンジに対し、レゼは「私は田舎のネズミのほうがいいよ」と静かに答えます。 |
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ここで初めて、レゼの仮面の下にある「本音」が垣間見えます。
彼女はずっと組織に管理され、命がけの任務をこなす「都会のネズミ」として生きてきました。
だからこそ、デンジの「都会がいい」という答えを聞きつつも、自分自身は平穏で静かな「田舎の暮らし」に憧れを抱いていることを吐露します。
二人の生き方の違い、そしてレゼの悲しい運命が浮き彫りになる重要な会話です。
イソップ童話「田舎のネズミと都会のネズミ」とは


退屈な田舎暮らしを嘆いていたネズミが、都会のネズミに招かれて豪華な屋敷へ行きます。
夢のようなご馳走を前に「自分はなんて不幸なんだ」と落ち込みますが、食事のたびに人間に殺されかける恐怖を体験。
「贅沢な食事には『危険と恐怖』が添えられている」と悟った田舎のネズミは、本当の幸せについて考えるため、何も食べずに安心できる田舎へ帰っていきました。
田舎で質素だが安全に暮らすネズミと、都会で豪華な食事にありつけるが常に危険(猫や人間)に怯えて暮らすネズミの物語。
「贅沢をして危険に怯えるより、貧しくても平穏な暮らしの方が幸せである」という教訓が込められています。
7. 「仕事やめて………私と一緒に逃げない? 私がデンジ君を幸せにしてあげる 一生守ってあげる お願い」
| 登場 | 第5巻 第43話「ジェーンは協会で眠った」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 花火大会の最中、街を一望できるスポットにて。任務実行直前、これが最後のチャンスだと悟ったレゼが、デンジに組織からの逃避行を提案します。 | |
コメント
このセリフは、任務のための罠であると同時に、レゼの精一杯の「救難信号」だったのかもしれません。
もしデンジが即答で「逃げる」と言っていれば、彼女は本当に組織を裏切っていた可能性はゼロだったのでしょうか。
「一生守ってあげる」という言葉には、自分と同じく「兵器」として利用されるデンジを救いたいという、彼女なりの愛と強さが込められています。
8. 「だって私…デンジ君が好きだから」
| 登場 | 第6巻 第44話「バン バン バン」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 「仕事を辞めて逃げるなんて…」と戸惑うデンジ。 「なんでそこまで?」と問う彼に対し、レゼは真っ直ぐにこの言葉を告げます。 レゼのことは好きでも、公安での仕事や早川アキ、パワーとの生活も捨てがたいデンジは、激しい葛藤に襲われます。 |
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コメント
デンジを完全に油断させるための最強のカードであり、同時に最も残酷な嘘です。
直後に舌を噛み切る行動に出ることから、この「好き」は恋愛感情というより、「私のモノになりなさい(死んで心臓をよこしなさい)」という独占欲と殺意の裏返しとも受け取れます。
花火の美しさと相まって、読者にトラウマを植え付ける名シーンです。
9. 「デンジ君 私の他に好きな人いるでしょ」
| 登場 | 第6巻 第44話「バン バン バン」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 仕事を続けながらレゼとも会えないかと、虫のいい提案をするデンジ。 しかしレゼはそれを見透かしたようにこのセリフを言い、花火をバックにキスをします。 物語におけるロマンチックの頂点となるシーンです。 |
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デンジの心にマキマがいることを鋭く見抜いています。
「他に好きな人がいるのに、私に揺らいだ」という事実を突きつけることで、デンジに罪悪感を抱かせ、精神的な優位に立とうとしています。
キスで口を塞ぐことで言い訳を封じ、そのまま物理的な攻撃(舌を噛む)へと繋げる、完璧な流れです。
10. 「デンジ君の心臓貰うね?」
| 登場 | 第6巻 第44話「バン バン バン」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | ロマンチックな雰囲気から一変、花火の音が不気味に響く中、地面には血が滴ります。 キスの最中にデンジの舌を噛み切り、失血とショックで朦朧とする彼に対し、レゼが冷酷に言い放ちます。 |
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コメント
カフェ店員のレゼから、殺し屋への完全な変貌です。
「心臓を貰う」は、物理的な「ポチタ(チェンソーの心臓)」を指します。甘いキスの直後に激痛と裏切りを与えることで、デンジを絶望の底に突き落とします。
11. 「ボンっ」
| 登場 | 第6巻 第44話「バン バン バン」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | ビームに助けられて逃げるデンジを追うため、レゼが自身の首のチョーカーを引き抜き、爆発と共にボムの悪魔(武器人間)へと変身する瞬間。彼女の正体が明らかになります。 | |
コメント
自らの首を爆破するという凄惨な自傷行為を、まるで子供の遊びのように「ボンっ」と口にする軽さが、レゼの異常性と強さを際立たせています。
これまでの儚げな少女のイメージを、文字通り「爆破」して消し去るインパクト絶大の演出です。
12. 「助けてくださ~い!! 悪魔に襲われてま~す!!」
| 登場 | 第6巻 第45話「爆発日和」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 公安のデビルハンター訓練施設に逃げ込んだ二人を追い詰め、レゼが満面の笑顔で「一般市民」のふり(?)をして助けを求めるシーン。 周囲のハンターを混乱させます。 |
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コメント
もはや完全に騙す気などない、デビルハンターたちへの強烈な「皮肉」と「挑発」です。
自分自身が「爆弾の悪魔(襲う側)」であるにも関わらず、満面の笑顔で「襲われている」と叫ぶ姿は、まるで質の悪いブラックジョークを楽しんでいるかのよう。
「どうせバレても、その時は皆殺しにすればいい」という圧倒的な自信があるからこそ、切迫した状況下でもこんなふざけた真似ができるのでしょう。
彼女にとってこの場の命のやり取りは、生死をかけた戦いではなく、単なる「作業」や「遊び」の範疇でしかないという、底知れない強さが窺えます。
13. 「皆殺しコースかな」
| 登場 | 第6巻 第45話「爆発日和」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 副隊長など一部の鋭いハンターには演技が通じないと悟るや否や、即座に実力行使へ切り替えるシーン。 首のピンに手を添えながら、無表情で呟きます。 |
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コメント
「演技で突破するプラン」が失敗したと判断するや否や、即座に「武力で突破するプラン」へと切り替える、兵器としての思考回路が如実に表れています。
彼女が口にした「コース」とは、任務を遂行するための単なる「分岐ルート」や「手順」のことでしょう。
そこに迷いや躊躇は一切なく、邪魔な人間を排除することを「事務的な作業プロセス」のように捉えている冷徹さが、この一言に凝縮されています。
14. 「マキマ、、、。 デンジ君、あの魔女に飼われちゃっているのか」
| 登場 | 第6巻 第47話「女運」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | 知り合った女性から漏れなく命を狙われるデンジが、それでも「俺にゃあマキマさんがいる!」と叫んだ際、レゼが返したセリフ。 その後の「なら一緒に逃げても無駄だったか」という言葉と共に、マキマの異常性が浮き彫りになります。 |
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コメント
レゼはマキマの本質(支配の悪魔)を知っているため、「魔女」と呼びます。
デンジがマキマを信じきっている姿を見て、彼が完全に「飼いならされている(支配されている)」ことを悟りました。
「一緒に逃げても無駄だった」という言葉には、マキマの手からは誰も逃げられないという絶望と、デンジへの同情が混じっています。


15. 「おいでデンジ君 私達の戦い方ってのを教えてあげる」
| 登場 | 第6巻 第47話「女運」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | ボム状態でチェンソーマン(デンジ)と対峙し、圧倒的な戦闘技術を見せつける場面。 「泳ぎ方」に続き、今度は「戦い方」を教授しようとします。 |
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コメント
ここで言う「私たち」とは、悪魔でも人間でもない「武器人間」たちのこと。
不死身であり、変身して戦う特異な存在である彼らは、ある意味で孤独な同族です。
「泳ぎ」を教えた時と同じように、今度は先輩兵器として「殺し合い」を通してデンジとコミュニケーションを取ろうとしています。
16. 「なんで… 初めて出会った時に殺さなかったんだろう」
| 登場 | 第6巻 第52話「失恋・花・チェンソー」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | デンジたちとの戦いに敗れ、海辺で一人逃亡を図るレゼ。 デンジから「一緒に逃げない?」と提案され一度は断るも、デンジとの日々を回想して心が揺らぎます。 デンジが待つカフェへ戻ろうとした矢先、マキマに捕捉され、路地裏で敗北。薄れゆく意識の中で自問自答したセリフです。 |
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コメント
任務失敗の最大の原因は、自分の「甘さ」でした。
合理的に考えれば最初の出会いで殺すべきだったのに、デンジの面白さに惹かれ、殺すのを先延ばしにしてしまった。
その事実に気づいた時、彼女は自分がデンジに恋をしていたことを認めざるを得なかったのでしょう。プロ失格の烙印とともに、人間らしい感情を取り戻した切ない瞬間です。
17. 「デンジ君 ホントはね 私も学校いった事なかったの」
| 登場 | 第6巻 第52話「失恋・花・チェンソー」 | |
|---|---|---|
| シチュエーション | あれだけデンジに「学校に行かないのはおかしい」と言っていたレゼですが、最期に自分の仮面を脱ぎ捨て、本音でデンジと向き合うことを決めた心の声。 このセリフと共に、レゼ編は幕を閉じます。 |
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コメント
これが彼女のついた最後の嘘に対する、真実の答え合わせです。
ソ連の実験体として育った彼女もまた、デンジと同じく普通の青春を知らない子供でした。
「先生」としてデンジに教えるのではなく、同じ目線で学校に行き、笑い合いたかった。
カフェに向かう彼女の足取りは、スパイとしてではなく「ただの恋する少女」のものでしたが、それが叶うことはありませんでした。
レゼ編のラストを飾る、最も美しく悲しい独白です。
【考察】なぜレゼの言葉はこんなにも「切ない」のか?


引用/チェンソーマン公式サイト NEWS/場面カット
レゼのセリフが私たちの心に深く刺さるのは、彼女がデンジに吐いた「たくさんの嘘」の中に、痛いほどの「本音(願い)」が隠されていたことが、最後の最後で明かされるからです。
彼女の言葉を振り返ると、3つの「切なさの理由」が見えてきます。
「教えてあげる」は、彼女自身の「知りたい」だった


レゼはデンジに対し、常に「先輩」や「導く者」としての顔を見せていました。
「行っちゃいますか?夜」
引用/第5巻 第41話「嵐の前」
「デンジ君の知らない事 できない事 私が全部教えてあげる」
引用/第5巻 第42話「泳ぎ方を教えて」
これらの言葉で、彼女は「学校」や「夜遊び」、「恋愛」の楽しさをデンジに教えようとしました。
しかし、物語の結末で彼女は心の中でこう独白します。
「デンジ君 ホントはね 私も学校いった事なかったの」
引用/第6巻 第52話「失恋・花・チェンソー」
これが最大の切なさの正体です。 彼女がデンジに見せた「青春」のリードは、すべて演技でした。
しかし、「学校に行ってみたかった」「誰かと青春をしたかった」という願い自体は、デンジと同じく彼女の本当の夢だったのです。
「教えてあげる」という言葉は、自分自身に言い聞かせるような「私も知りたかった」という悲痛な叫びだったのかもしれません。
「田舎のネズミ」になれなかったスパイの運命


レゼ編のテーマを象徴するのが、イソップ童話の引用です。
「デンジ君はさ 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?」
引用/第5巻 第42話「泳ぎ方を教えて」
彼女は幼少期からソ連の実験体として管理され、戦いの中で生きる「都会のネズミ」であることを強制されてきました。
だからこそ、危険と隣り合わせの豪華な食事よりも、平穏な「田舎のネズミ」の生活に憧れを抱いていたのです。
花火の夜、彼女はデンジにこう問いかけます。
「仕事やめて………私と一緒に逃げない? 私がデンジ君を幸せにしてあげる…」
引用/第5巻 第43話「ジェーンは協会で眠った」
当然、これはデンジを油断させ、捕獲するための「任務としての罠」に過ぎませんでした。 彼女自身、この時点では組織を裏切るつもりなどなかったはずです。
しかし、嘘の中に紛れ込ませたこの提案は、「もし本当にそうなったらどんなにいいだろう」という、彼女の心の奥底にある「叶わぬ願い」そのものでもあったのではないでしょうか。
任務遂行のための冷酷な言葉でありながら、そこには自分でも制御しきれない「本音」が滲み出てしまっていた。 だからこそ、その後の悲劇的な結末がいっそう切なく感じられるのです。


プロの殺し屋を狂わせた「想定外の出会い」


冷酷なボムとして、本来なら最初の出会いでデンジを殺せたはずのレゼ。なぜ彼女はそれをしなかったのでしょうか?
「デンジ君みたいな面白い人 はじめて」
引用/第5巻 第40話「恋・花・チェンソー」
「なんで… 初めて出会った時に殺さなかったんだろう」
引用/第6巻 第52話「失恋・花・チェンソー」
彼女の周囲は訓練された兵士ばかり。そんな中で、ドブ味のコーヒーに全力でリアクションするデンジの「嘘のない姿」は、彼女にとってあまりにも眩しく、面白かったのです。
任務のために近づき、演技で恋人のフリをしていたはずが、デンジの純粋さが彼女の「スパイとしての仮面」を少しずつ溶かしてしまった。
最期にカフェへ戻ろうとした彼女の足取りは、もう兵士のものではなく、「初めて恋をした普通の少女」そのものでした。
その変化こそが、レゼという存在を永遠に記憶に残るものにしているのです。
【まとめ】レゼの言葉が残したもの


レゼはデンジの心臓を奪おうとし、デンジはレゼに心を奪われました。
彼女の言葉の多くは嘘だったかもしれません。
しかし、「私も田舎のネズミが好き」という価値観と、デンジに向けた最後の行動だけは、紛れもない真実でした。
花火のように一瞬で消えてしまいましたが、彼女がデンジに残した「泳ぎ方」と、嘘の中に隠した「本当の願い」は、これからもチェンソーマンの物語の中で静かに輝き続けるでしょう。
【振り返り】レゼの名言・セリフ全集リスト
最後に、今回紹介した17のセリフを振り返ります。 改めて並べてみると、前半の「青春」と後半の「殺し合い」のコントラストが鮮烈です。
デンジを翻弄する「小悪魔な嘘」任務としてデンジに近づき、理想的なヒロインを演じていた時期のセリフです。嘘だとわかっていても、青春の輝きに満ちています。
- 「デンジ君みたいな面白い人 はじめて」
- 「行っちゃいますか?夜」
- 「少し怖いから手繋いでいい?」
- 「デンジ君もハダカなっちゃお どうせ暗くて見えないよ」
- 「教えてあげる! デンジ君の知らない事 できない事 私が全部教えてあげる」
嘘の中に滲む「切ない矛盾」作戦決行(花火大会)の直前。デンジを確実に仕留めるための罠を張りつつも、自身の「田舎のネズミ」への憧れや迷いが混ざり始めた重要なパートです。
- 「デンジ君はさ 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?」
- 「仕事やめて………私と一緒に逃げない? 私がデンジ君を幸せにしてあげる…」
- 「だって私…デンジ君が好きだから」
- 「デンジ君 私の他に好きな人いるでしょ」
正体を表した「ソ連の戦士」本性を現し、殺戮兵器として暴れまわるパート。甘い雰囲気は消え失せ、プロの殺し屋としての冷徹さと圧倒的な暴力性が言葉に表れています。
- 「デンジ君の心臓貰うね?」
- 「ボンっ」
- 「助けてくださ~い!! 悪魔に襲われてま~す!!」
- 「皆殺しコースかな」
- 「マキマ、、、。 デンジ君、あの魔女に飼われちゃっているのか」
- 「おいでデンジ君 私達の戦い方ってのを教えてあげる」
仮面の下の「ただの少女」戦いに敗れ、デンジの真っ直ぐな想いに触れた後。スパイとしての任務も、兵器としての立場も忘れ、一人の女の子として残した最後の言葉です。
- 「なんで… 初めて出会った時に殺さなかったんだろう」
- 「デンジ君 ホントはね 私も学校いった事なかったの」







